下腿の違和感…ふくらはぎが痛い、だるい、脚のむくみ…病院検査は「異常なし」の原因は「冷え」!?
石川県金沢市の八日市町にある接骨院「大川接骨院」の院長の大川です。
このコラムでは、院長が接骨院の現場でよく見る症例、思うことなどを綴っております。
今回のテーマは「下腿の違和感」です。
ふくらはぎの痛みやだるさ、脚のむくみ等の症状に代表される「下腿の違和感」についてお話しします。
ふくらはぎがだるい、痛い、重い・・・
これに加え、足の裏の痛み、しびれ、熱感、冷えの為の睡眠障害。
それが続くと、何となく腰も痛い、背中から肩にも痛みが出てくる。
あらゆる病院であらゆる検査をしても、答えは「異常なし」。
気のせいだと言われ、心療内科へ回されるか、気休めの安定剤と湿布の処方。
こんなことは特殊な例かと思われるでしょうが、その手順を踏んだ患者さんが接骨院には結構おいでます。
大病院を回った後に来院されるのですから、まさに「わらをもすがる思い」なのでしょう。
大きな病院では決して触ったりはしないでしょうが、わらの立場の接骨院としては、下腿の筋肉を押して、つまんで、引っ張って、触診だけが頼りです。
そこにコリコリの硬結、しこりを触知できることがあります。
大川接骨院では、「他に異常がないのなら、これ( 硬結、しこり )が原因だろう」と決めつけさせていただき、治療をしていきますが、結構いい成績を収めています。
しこりは、モンキーバナナくらいの大きさから枝豆くらいまで、様々です。
多くのこの症状の患者さんを診た経験から言いますと、得てして、こういう患者さんは「暑がりの方」が多いようです。
暑いから足を出す、だから冷える。
冷房も、必要以上に冷やす。
これを長年繰り返すので、気がついた時には既に慢性になっていて、年中だるい。
昔から「頭寒足熱」とはよく言ったもので、脚が冷えるとろくなことがありません。
「冷え」への対策は、筋肉の血行が重要になってきます。
動脈は心臓の後ろ盾があり、どんどん心臓から血液が勢いよく押し出されて流れています。
対して静脈は、心臓に帰る血液が流れているわけですから、その流れの頼みの綱は、静脈血管の中の逆流を防ぐ弁と、筋肉の収縮と弛緩でぎゅうぎゅう押し出される、いわゆる「ポンプ作用」となります。
ふくらはぎは、その筋肉ポンプが顕著にあらわれる代表的なところです。
ふくらはぎや足の裏が「第2の心臓」と言われるのも、まんざらデタラメでは無いのでしょう。
筋肉は、冷えるとこわばります。
筋肉がこわばると、収縮と弛緩の運動範囲が狭まり、ポンプ作用も小さくなり、どんどん血行が悪くなります。
そのうち、こわばった筋肉内にさらにこわばった部分ができ、「しこり」になります。
こういう「しこり」の部分は、「トリガーポイント」とも言われます。
「トリガーポイント」つまり、その筋肉全体に、不具合を引き起こす引き金になる部分です。
ふくらはぎで言えば、腓腹筋、足底筋、ヒラメ筋が、「トリガーポイント」がよく見られる場所です。
こういう痛みやだるさなどの症状の他、むくみを併発していることがあります。
むくみは女性によく見受けられますが、それが病気によるものか、特に異常なく起こっているのかは、病院の検査でしかわかりません。
接骨院で聞かれても、返事に困ってしまうのです。
ちなみに、むくみの起こり方は、接骨院でもわかります。
体のほとんどの場所で静脈と動脈は独立していますが、足の甲には静脈と動脈とをつなげる血管があります。
これは「逃げ道血管」と言われます。
「逃げ道血管」は普段は閉じていますが、体調不良(病気)、気温の上昇、体温の上昇、気圧の低下、身体を横にする、ストレスなどにより、この血管に動脈血が流れ込むと、足先へ行く血液が不足して足先の冷えが起きます。
さらに、その動脈血が「逃げ道血管」を越え、静脈へ流れ込むと、静脈内の圧が上がり、リンパ液などの成分が血管の外に押し出され、「むくみ」となります。
特に検査では異常がなく、むくみが起きる方には、対症療法として足の甲の爪先側の土踏まずにテーピングのテープを少しだけきつめに3~4回くるくる巻き付けることで、逃げ道血管を圧迫してあげます。
すると、多少はむくみが軽減されます。
本来、このような「足の痛だるい」といった症状は、接骨院の範疇外ですが、病院に見放された方は一度来てみてください。もしかしたら良くなるかも・・・結構いい成績を収めていますので・・・