若年層の「顎関節症」~人類の進化の変容~
若年層に多く見られるようになった「顎関節症」に対する接骨院の考察
石川県金沢市の八日市町にある接骨院「大川接骨院」の院長の大川です。
このコラムでは、院長が接骨院の現場でよく見る症例、思うことなどを綴っております。
今回のテーマは「若年層の顎関節症」です。
「顎関節症」は、咬筋などの顎関節周りの筋肉の障害による痛みが主な症状です。
かつて「顎関節症」と言えば、20代から50代の成人に多く見られました。
仕事や子育て、家庭内のストレスが重なる時期のためでしょうか。
もちろん、骨や軟骨がどうのこうの・・・ということは、ほとんどありません。
近頃は、「顎関節症」に悩む年齢層が低くなっている気がします。
「顎関節症の低年齢化」
今回は、その原因について、接骨院の立場からの考察です。
昭和の初期、中期の方々を見る限り、それ以前の人類より「少しはスタイルが良くなった」程度に思います。
が、昭和後期、平成からは明らかに人類の進化の変容を感じ取れます。
身長、四肢の長さはもちろん、一番の変化は【小顔化】でしょう。
以前は、突然変異的な小顔の男女が、アイドルとしてテレビに出ていました。
「人類の進化の節目」を私の年代が最初に目にしたのは、かの「キョン2」や「アムラーの教祖様」でした。
「うわっ!顔、小せぇ〜」と。(私、個人的に・・。)
ところが、今の中高生は普通にそのサイズです。「突然変異的な小顔」と思われた顔のサイズが一般化しています。
頭蓋骨が小さくなるということは、それらを構成する骨もサイズダウンしているということです。「顎関節」もそれに含まれます。
そして、関節が小さいという事は、それを動かす筋肉、靭帯も細小化しています。
前世紀の人々も、現代っ子も、痛みの起きるきっかけは同じです。
「就寝時の食いしばり」が原因となる事が多いようです。
「食いしばり」も、やはりストレスによるものですが、最近は考え方や身体の成長も早まってきているので、それに伴い、ストレスを受ける年齢も低くなっているのでしょう。
「小顔化による顎の筋肉や靭帯の最小化」に加え、「ストレスの低年齢化」、この辺りに「顎関節症の低年齢化」の原因がありそうですね。
咬筋、外側翼突筋の痛みの施術は、本来なら口腔内に指を突っ込みます。
が、そんな無粋なこともしたくないので、私は関節周囲のマッサージや近赤外線の照射をしています。
要はリラックスさせて筋肉の緊張を取ればいいので、それで充分だと思います。
火を手に入れた人類は食物を柔らかく食べる事に成功し、そのため骨格、靭帯はきゃしゃになりました。
これが「退化」=「進化」です。
そして、ITを手にした人類は、あらゆる作業を機械にさせていきます。
今後は手足が進化(退化)していくのでしょうか・・・